英検協会は、5級のレベルを「中学初級程度」と言っていますが、「どんな問題が出るのか?」「小学生でも受けられるのか?」──実際のところ、よく分かりませんよね。
この記事では、英検5級の実際の問題をもとに、レベルや出題内容を徹底解説します。さらに、意外と見落とされがちな「時間配分」と「スコア配分」についても、熱く語ります。
英語塾ABCが積み上げてきた経験から、子どもたちの“あるある”をもとにした「合格のポイント」「スコアUPする解き方」「目からウロコのトレーニング法」まで、惜しみなく公開します。
子どもたちの努力が、しっかり点数に結びつく一助になれば嬉しいです。
英検5級は2技能だけ
英検5級は、英語を習い始めたばかりの子が最初に挑戦する級です。測定されるのは「リーディング」と「リスニング」の2技能のみ。スピーキングやライティングはまだ登場しません。イェイ♪
- リーディング:
問題数 25問[解答時間 25分] - リスニング:
問題数 25問[解答時間 約20分]
ここで注目したいのが、リスニングの時間が“約20分”となっている点。リスニングテストの冒頭に音量チェックがあり、音が小さい場合は試験官が再調整します。そのため、会場や状況によって前後するんです。
この「約」に違和感を持つ子は意外と多い。10人に1人くらいは、「え、なんで“約”なの?」と真顔で聞いてきます(笑)
5級の合格点は意外と低い?
子どもたちが一番気にするのが、「何問正解したら合格できるの?」というシンプルな疑問です。
ところが英検は、学校のテストのように「何問正解で合格」という固定の基準がないんです。(英検は合否がCSEスコアで判定され、回ごとに変動します)。
それでも目安は欲しい!
というわけで、私たちは過去の受験データから、英検5級のギリギリ合格ラインの目安をこう考えています。
- リーディング:25問中 12問 正解(約48%)
- リスニング:25問中 20問 正解(約80%)
※ 回によって上下はありますが、概ねこのラインを超えれば合格圏と考えてOK。
えっ、リーディングが半分でも合格できるの!?
はい、できます。これが、ずっと隠されてきた、英検の秘密です♪
戦略を立てれば合格が見えてくる!
英検合格の第一歩は、正しい戦略を立てることです。
- 現状と目標のギャップを知る(過去問を本番同様に解き、パート別の得点傾向を把握)
- 得意でスコアを稼ぐ(たとえばリスニングで7〜8割取れれば、合格ラインがぐっと近づく)
- 時間配分を設計し、“もったいない失点”を防ぐ(リーディング25分の使い方が分かれ目)
この3つが、合格への設計図(=戦略)です。
「やみくもに頑張る」より、「どう頑張るか」を決めるほうが近道。戦略があれば、努力は点数に変わります。
次の章では、この戦略を実際の点に変える戦術=具体的な解き方を徹底的に紹介します。
さあ、いよいよ実践編のスタートです!
5級のリーディング問題とは?
英検5級のリーディングは、大問1・大問2・大問3の3パートです。すべて4択の選択式です。
問題数 25問[解答時間 25分]
- 大問1|短文の語句空所補充 … 15問(10分)
- 大問2|会話文の文空所補充 … 5問(5分)
- 大問3|日本文付き短文の語句整序 … 5問(10分)
※( )は目安の解答時間です。
これから各パートの「合格のポイント」と「スコアUPする解き方」を、子どもたちの“あるある”を交えながら解説します。ABCのマル秘テク、大公開です!
リーディング大問1|短文の語句空所補充
- 問題数:15問
- 目安の解答時間:10分(1問当たり 40秒)
- 目標の正答数:7問
出題形式:
短文または短い会話文の穴埋め問題です。( )に入る最も適切な語を、4つの選択肢から選びます。
実際の問題:

このような問題が(1)から(15)まで、2ページにわたってズラリと並びます。
合格のポイント
時間をかけ過ぎないことです。
大問1は、「知っているかどうか」が大きく影響するため、分からんもんはどれだけ考えても分かりません。あきらめる勇気が大事です。
しかも、同じ5級でも大問1の単語が最も難しく、大問2や大問3に使われる単語は比較的やさしいと言われています。
だから、分からない問題に時間をかけるより、分かる問題に時間を譲る!これが効率よく得点を伸ばすコツです。
スコアUPする解き方
- 選択肢を見ずに、( )に入る言葉を予想しながら、問題文を1回読む。
- 4つの選択肢をサッと1回読む。
- もう一度、「1→2」をくり返す。
- このサイクルを1問40秒以内で。
ちょっと補足
「( )の前後だけ読めば良くない?」「2回読む必要ある?」「選択肢を見た方が早くない?」
──はいはい、そう思いますよね(笑)
でもね。
十数年、子どもたちの“あるある”を見てきた結果、全文を2回読み&選択肢は後回しが最も正答率を上げるんです。
理由は3つあります。
- 答えは文脈の中にあるから。
- ( )の前後だけだと、単語のつながりは見えても、文全体の意味を取り違えることがあるんです。
- 1回よりも2回の方が理解が深まるから。
- 1回目で分からなくても、不思議と2回読むと理解できることがあるんです。だから、最低でも2回は読みたいんです。
- 先に選択肢を見ない方が、発想がロックされない。
- 選択肢を見てしまうと、頭がその言葉に引っ張られて、文のイメージが膨らまなくなります。
だからこそ、全文を2回読み&選択肢は後回し。これが、何よりも正答率を上げる最善の方法なんです。
リーディング大問2|会話文の文空所補充
- 問題数:5問
- 目安の解答時間:5分(1問あたり1分)
- 目標の正答数:3問
出題形式:
会話文の穴埋め問題です。( )に入る最も適切なものを、4つの選択肢から選びます。
実際の問題:

このような問題が(16)から(20)まで、5題出題されます。
合格のポイント
自然なやり取りを知っていれば分かる!
大問2は、単語力よりも「会話の流れをイメージできるか」が勝負。
どこで?誰と誰が?何について話しているのか?この3つを頭の中で映像化しながら読むことです。
英語が苦手でも、場面が浮かぶと答えやすいです。単語を直訳しようとせず、「どんな状況の会話か?」を感じ取ることがポイントです。
スコアUPする解き方
- 選択肢を見ずに、( )に入る言葉を予想しながら、問題文を1回読む。
- 4つの選択肢を1回読む。
- もう一度、「1→2」をくり返す。
- このサイクルを1問1分以内で。
ちょっと補足
「文全体を読む必要なくない?」「2回読むのは時間のムダでは?」
──はいはい、そう思いますよね(笑)
でもね、2回読むと“あれ?”に気づけるんです。1回目では見落とした「相手の返し」や「話題転換」が、2回目で見えてきます。
2回読むことで時間がもったいない、そう思うかもしれませんが、子どもたちの“がんばり”を確実に点数に変えるには、この方法が一番なんです。
リーディング大問3|日本文付き短文の語句整序
- 問題数:5問
- 目安の解答時間:10分(1問あたり2分)
- 目標の正答数:2問
出題形式:
日本語の文章に合うように英語を並び替える問題です。ただ、並べ替えで終わりではありません。
並べ替えたあとに、「1番目」と「3番目」に入る語の番号の組み合わせを答える必要があります。ややこし…。
実際の問題:

- 日本文に合うように並べ替える。
- [does your sister go skiing] every year?
- 「1番目」と「3番目」に入る語の番号を探す。
- does=②、go=① → 答えは【②−①】
慣れれば簡単ですが、初めての受験や久しぶりの受験では、問題形式を理解するのに時間がかかります。こんなことで時間をロスするのはもったいないので、小学生が受験する場合は事前に必ず解き方を練習しておきましょう。
このような問題が(21)から(25)まで、5題出題されます。
合格のポイント
- 日本文を読まない。
- 文の最後に「?」があるかどうかを確認!
- [ ]に入れるのは語い、番号は最後に選ぶ。
実は、この問題を解く時、日本文は必要ないんです。英文を組み立てた後で、照らし合わせて確認するくらいでOKです。
スコアUPする解き方
- 文の最後に、"?" があるかどうかを確認。
- 日本文を読まずに、すべての英単語を読む。
- 直感で並べ替え、完成文を読む。
- 自然な分になったと思ったら、その1番目と3番目の語の番号を選ぶ。
- なんか違うと感じたら、「1→2→3」をくり返す。
- 自分が思う番号の組み合わせがなかったら、「1→2→3」をくり返す。
ちょっと補足
“直感で並べ替える”って、ちょっと雑じゃない?
──はい、そう思いますよね(笑)
でもね。十数年、子どもたちの答案を見てきた結果、この“直感読み&確認ループ”が最も正答率が高いんです。
理由は3つ。
- 文法ルールよりも、自然な英語の語順が身体に入っているから。
- たくさんの例文を見てきた子ほど、“感覚で”文を組み立てられるんです。
- 日本文を先に読むと、語順が日本語に引っ張られる。
- 結果として、不自然な英語になりやすい。
- 一度直感で作って読んでみると、“違和感”で間違いに気づける。
- “読んでみて違和感がある”=構文エラーが起きているサインです。
だから、まずは直感で並べ替えて読む→違和感があれば修正。これが、最短で正解にたどり着く方法なんです。
スルーできない「場面・状況」
5級で出題される内容は、家庭や学校など、子どもたちが日常的に経験する場面です。英検公式サイトでは次のように説明されています。
- 場面・状況:
家庭、学校、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話など - 話題:
家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告など
この「場面・状況」や「話題」についてスルーする人は多いです。しようとしたでしょ(笑)。
でも、実はこれが超大事なんです!
なぜなら、子どもたちがその場面を「見たことがある」「聞いたことがある」「感じたことがある」という経験を持っていると、理解力がぐっと上がるからです。たとえば、知らない単語が出てきても、経験をもとに文脈から意味を推測できるようになります。
もちろん、単語を全部覚えていればいいだけのこと(笑)。ですが、若き日の自分を思い返しても、単語学習は簡単じゃなかったように記憶しています。そんな時、「経験」が理解を助けてくれると言ったら、どうでしょう?
これはスルーできない話ですよね。
じゃあ、この「経験」をどうやって育てるのか?それは、英語の絵本と英検の単語帳がとても役に立ちます。これらの勉強法については後でしっかり紹介するので、まずは英検5級の合格点や問題内容をご覧ください。
これらを理解した上でトレーニングすると、効果が倍増するのでぜひ、おつき合いください!
5級のリスニング問題とは?
英検5級のリスニング問題は、Part1、Part2、Part3、の3つのパートから構成されています。すべて選択問題で、4つの選択肢から正しいものを1つ選びます。
構成は次のとおりです。
問題数 25問[解答時間 約20分]
- Part1|会話の応答文選択 … 10問
- Part2|会話の内容一致選択 … 5問
- Part3|イラストの内容一致選択 … 10問
※リスニング問題は、放送で流れてくる音声を聞きながら答えるため、目安時間の設定はありません。
それでは実際の問題を見ながら、Partごとにポイントや解き方を詳しく説明します。十数年間、子どもたちの"あるある"に触れてきた経験を、惜しみなく公開します!
リスニング Part1|会話の応答文選択
- 問題数:10問
- 目標の正答数:8問
Part1 は、イラストを参考に、英文に対する応答として最も適切なものを、4つの選択肢から選びます。
実際の問題は、こんな感じ。
合格のポイント
- 場面や文脈から推測して答えられる問題が多いため、文全体を最後まで聞くこと。
- 間違っててもいいから、聞いた内容をふわっとイメージ(文章を映像化)すること。
スコアUPする解き方
リスニング Part2|会話の内容一致選択
- 問題数:5問
- 目標の正答数:4問
Part2 は、対話を聞き、質問に対する答えとして最も適切なものを、4つの選択肢から選びます。
実際の問題は、こんな感じ。
合格のポイント
- 自然なやり取りを知っていれば分かる問題なので、とにかく文全体をすべて読むこと。
- どこで?誰と誰が?何について話しているのか?などの状況を映像化すること。
スコアUPする解き方
リスニング Part3|イラストの内容一致選択
- 問題数:10問
- 目標の正答数:8問
Part3 は、3つの英文を聞き、イラストの内容を最もよく表しているものを、4つの選択肢から選びます。
実際の問題は、こんな感じ。
合格のポイント
スコアUPする解き方
5級の語いレベル
音読による単語学習が大前提。
優先したい3つのスキルUP
5級合格のために優先して身につけたいスキルは、次の3つです。
- 語い力
- 想像力
- 時間配分
一つずつ、詳しく説明しますね。
1. 語い力について
多くの子どもたちが、単語の意味を日本語で覚える「暗記」をしますが、
単語の意味を日本語で覚えません。文章でスラスラ「読める」、「聞ける」状態になっているかです。
5級レベルの英語を、***語程度、読み続ける持久力を備えるためのトレーニングが必要。
子どもたちに5級の過去問題を読ませてみる。読めないと問題を解けない。当たり前ですが・・・でも、代わりに読んであげると答えが分かる。このことからも分かるように、とにかく読めることが大事。
単語や表現を知っているほど有利。ただし、英単語とその意味を日本語で覚える「暗記」では英検2級や準1級を見据えてると戦えません。
語数を数えてみると、2025年度第1回検定では、問題文が141語、選択肢が60語、計201語でした。
2.想像力について
5級は「日常場面」が題材なので、推測のしやすい問題が多い。知らない単語が出ても、場面や文脈から意味を補い、答えを推測する力があると有利。
3.時間配分について
ここが見落としがちなポイント!大問ごとの「使っていい時間」を感覚で持っておくことが大切。
リーディング・リスニング合わせて 6割程度 が合格目安。「絶対に落とせない問題」と「分からなければ捨ててもよい問題」の線引きを知っておくことが合格のカギ。
合格に必要なのは、単に「英語力」ではないんです。英語力がないから「不合格」だった、と子どもたちは言いますが、英検の成績表を見ると、英語力はあるけど「時間配分」ができてないケースが、意外と多くあります。解けない問題に時間を使いすぎて、解ける問題に時間が使えなかった結果が「不合格」、と言うケースです。
この場合、時間配分がわかれば合格できるから、合格の戦術として「時間配分」は、ものすっごく大事なんですよ!
制限時間→スラスラ読むスキル
スコアを取るためには、「諦め」も必要です。1問40秒という制限時間を守った方が、結果、スコアが高いと言うケースを何度も目にしてきたから。
英検5級の合格率
English Navi によると、2015年 英検5級の合格率は81.4%です。易しい級なので、小学生や中学生の受験者の大半が合格していますが。
- 5級の合格率: 81.4%
難易度の低い5級ですが、油断すると不合格になることもあるので、注意しましょう。音読を中心にした理想的な学習法で、合格を確実なものにしましょう。
5級合格にかかる期間
大前提として、学習環境や個性、習慣などによって激しく差があるため、一概には言えないと言うのが正直なところです(笑)
とは言え、合格にどのくらいかかるか?は、誰もが知りたいはず。
そこで、私たちの塾の生徒さんを例に、目安をご紹介します。
条件:① 英語を始めたばかりの小学生または、中学1年生であること、② 学習の鉄板「暗記・文法・和訳」をしないこと
- 小学1-2年生:1年
- 小学3-4年生:6〜9ヶ月
- 小学5-6年生:3〜6ヶ月
短期間で5級に合格する勉強法
短期間で英検5級に合格する勉強法は、音読です。
音読は、赤ちゃんの言語習得プロセスを再現しているため、学年や年齢を問いません。そして4技能と語いを一気に鍛えることができるため、忙しい子も無理なく継続できます。さらに、日本語の意味を覚えたり、文法を学ぶ必要がないので、学校の英語が苦手で嫌いな子も、楽しみながら勉強できます。
小・中・高校生に親しみやすく、理想的な英検対策法です。
英語経験ゼロ、小学生がたった3ヶ月で5・4級合格!
英語は学校で習ってる程度の小学生
- 小5から英語塾ABCのトレーニングをスタート
- 小5・1学期に英検5・4級、2学期に3級、3学期に準2級、小6・1学期に2級合格
過去3回分の問題分析
問題で問われるのは、語い、熟語、構文、定型表現で、出題数と語数は回によって異なります。過去3回分の内訳は次の通りでした。
- 2025年度第1回検定
- 【語い】7問、【構文】5問、【熟語、定型表現】3問、【問題文の語数】141語。
- 2024年度第3回検定
- 【語い】8問、【構文】4問、【熟語、定型表現】3問、【問題文の語数】161語。
- 2024年度第2回検定
- 【語い】6問、【構文】5問、【熟語、定型表現】4問、【問題文の語数】141語。
過去3回分の問題分析
「自然なやり取りを知っているか」で差がつく問題。誰と誰が話しているか?がヒントになる。
過去3回分の分析結果を参考に♪
- 2025年度第1回検定では、【キャスト】Boy&Girl, Boy&Mother, Boy&Boy, Teacher&Girl 【問題文の語数】語。
- 2024年度第3回検定では、【キャスト】Man&Woman, Sister&Brother, Boy&Girl, Father&Girl 【問題文の語数】語。
- 2024年度第2回検定では、【キャスト】Boy&Girl, Father&Girl, Boy&Boy, Teacher&Student, Brother&Sister【問題文の語数】語。
英語塾ABCの学習法で受験・英検・留学・仕事でも困らない一生モノの英語を身につけた子どもたちの記事を公開中です。
ぜひご覧ください。
中3生・ 英検準1級 に合格!(大阪府公立高校入試に利用)
小6生・ 英検準1級 に合格!
小4生・ 英検準1級 に合格!
小5生・ 英検準1級 に合格!
高1生・ 英検準1級 に合格!
小6生・ 英検準1級 に合格!
中3生・ 英検準1級 に合格!(大阪府公立高校入試に利用)
小6生・ 英検準1級 に合格!
小4生・ 英検準1級 に合格!
小5生・ 英検準1級 に合格!
高1生・ 英検準1級 に合格!
小6生・ 英検準1級 に合格!
小学生が英検2級・準1級に合格する!ABCの体験レッスンへ
