「どうして英語塾を始めたんですか?」

これは、体験レッスンのとき、よくいただく質問です。

どこの誰が、どんな想いでこの塾をやっているのか。わが子を預けて、本当に大丈夫か――。

そんなふうに感じるのは、当然のこと。このブログが、その問いへの答えになれば嬉しいです。

(所要時間:約15分)

プロフィール

英語塾ABC 代表

市本 哲也

(通称*:マイケル)

大阪府出身。大阪星光学院神戸大学を卒業後、三菱電機に入社。その後、リクルートNTTデータを経て楽天へ。大阪支社長をはじめ、国内外のプロジェクトを歴任。楽天・英語公用語化とわが子の海外留学をきっかけに、日本の英語教育を根本から見つめ直す。2013年、兵庫県西宮市に英語塾ABC(西宮北口教室)を開校。その後、2015年に大阪梅田教室、2025年に箕面船場教室を開校。


*通称: 楽天には「通称制度」という文化があり、Michael Jacksonと同じ年に生まれたことから、以来、「マイケル」を名乗っています。もちろん、100%日本人です(笑)

なぜ“英語塾”を?

英語塾ABCは、3つのきっかけが重なって生まれました。

――1つ目は、『A Nation At Risk』との出会い

1983年、アメリカ・レーガン大統領の時代に発表された『A Nation At Risk(危機に立つ国家)』という報告書をご存知でしょうか。

「教育の質の低下が、国家の競争力を奪う。」

そう警鐘を鳴らすその内容に、ハッとさせられました。

当時の私はというと、やれ銀座だ、やれハワイだと浮かれてばかりで……。

恥ずかしさと反省は、今でも心に残っています(笑)

――2つ目は、楽天・英語公用語化の現場で

2010年、革命のファンファーレ “Englishnization(英語公用語化)”が鳴りきました。

会議・メール・資料がすべて英語に。

管理職にはTOEIC800点以上が求められ、当時支社長だった私は、休日返上でTOEIC講座を受講。

会議の前日には、毎回、徹夜で英語資料を作っていました。

それはもう、時間もお金もたっぷり費やしました(涙)

受験英語にはそれなりの自信があった私ですが、TOEICにも、仕事にも、まったく通用しませんでした。

日本の英語教育の“壁”を、まざまざと感じたのです。

――3つ目は、わが子の海外留学

決定的だったのは、わが子の変化です。

小3の息子と小1の娘がオーストラリアに留学したときのこと。

たった2年で、2人の英語力はグンっと伸びたのです。

帰国後の中高6年間は、英語の勉強が必要なく、他教科に全力投球できました。

一方の私は、社長出席の会議前夜は、英語資料作成のため毎回徹夜……。

もっと早く英語に向き合っていればと反省すると同時に、こう思いました。

小学生のうちに、“一生使える英語”を育てておく価値は、想像以上に大きい

この気づきこそが、英語塾を立ち上げる決意につながったのです。

なぜ“関西”に?

2013年。教育再生実行会議*が発足し、日本の教育改革が動き始めた年でした。

奇しくもそのタイミングで、私は前職を辞し、英語塾ABCを立ち上げました。

子どもたちに、人生のあらゆる場面で使える、“一生モノの英語”を育ててもらいたいからです。

でも、なぜ東京ではなく、関西だったのか?

これもよく頂く質問ですが、理由はシンプルです。

当時、東京にはそんな塾がすでにありましたが、関西にはなかった。

そして、私自身が育ったこの地・関西にも、“一生モノの英語を育てる教育”が必要だと感じたからです。

ちなみに、西宮北口という立地を選んだ理由――それは、完全に刑事の勘です(笑)。


*教育再生実行会議は、第2次安倍内閣が閣議決定により設置。教育改革を内閣の最重要課題の一つとして推進した。英語教育改革への注目度も高かった。

集結!スーパー・バイリンガル

2013年、関西で人気の街・西宮北口に誕生したABCに、仲間として集まってくれたのは、大阪大学の“スーパー・バイリンガル”たち。

海外経験のある学生や、英語教育の研究生を中心に、理想の教育を模索しました。

そして行き着いたのが、英語本の音読を通じて、4技能(聞く・読む・書く・話す)を育てる学習法です。

彼らとのご縁のきっかけをつくってくださったのは、大阪大学の杉田准教授。

楽天時代、私のTOEICスコアを劇的に上げてくださった恩師でもあります。ハハハ。

杉田先生、そしてスーパー・バイリンガルたちとの出会いが、ABCの原点となりました。

スタートアップ・メンバー

Miaka

  • アメリカ・ラスベガス出身
  • UC Berkeley 卒業

Shingo

  • ニューヨーク大学大学院 政治学研究科修士課程修了
  • 大阪大学大学院 国際公共政策研究科博士課程修了

Mai

  • 大阪大学 外国語学部
    (タイ語専攻)
  • University of Oxford 交換留学

Nozomi

  • 大阪大学 外国語学部
    (英語専攻)
  • Wesleyan College 交換留学
  • TOEIC 935点

Mizuka

  • 英・ロンドン1年滞在
  • 大阪大学 外国語学部
    (英語専攻)
  • KU Leuven 交換留学
  • TOEIC 885点

Yoshiko

  • アメリカ3年滞在
  • 大阪大学 外国語学部
    (英語専攻)
  • McGill University 交換留学
  • 英検1級、TOEIC 990点、
    TOEFL iBT 112点

Yuka

  • アメリカ1年滞在
  • 大阪大学 外国語学部
    (英語専攻)
  • University of Bologna 交換留学
  • TOEIC 900点

Marina

  • アメリカ5年滞在
  • 大阪大学 外国語学部
    (英語専攻)
  • TOEFL iBT108点、
    TOEIC 965点

失敗!早過ぎた“英語塾”

「英語本の音読で4技能を育てる」

この学習法に、私たちは大きな手応えを感じていましたが、世間にはまったく響きませんでした。

2013年と言えば、日本の教育改革がようやく動き出した頃。

英検も2級以下は、リーディング・リスニング・スピーキングの3技能のみ。

「4技能英語」よりも求められていたのは、学校のテストで点を取るための英語でした(泣)

理想と現実のギャップはあまりにも大きく、ABCの学習法は、時代に対して完全に早過ぎたのです。

それでも、関大や関学では英検2級・準1級が内部進学の基準だったこともあり、共感してくださる保護者もいました。

英検に合格できた!志望校に進学できる!

――当時では珍しかったこんな報せを励みに、私たちは待ちました。

4技能英語が“当たり前”になる時代の到来を。

盲点!教えたい本能

私たちは、4技能時代の到来を信じて、学習法を日々進化させました。

けれども、ある大きな壁にぶつかります。

それが、「文法解説が止まらない問題」です。

専門知識のある講師ほど、生徒が「分かった」と言うまで、丁寧に、そして延々と解説を続けてしまうのです。

ですが、英語を本当に“使える”ようになるには、子どもたち自身が、大量の英語を「聞く・読む・書く・話す」。

その“量”と“時間”こそが、カギなのです。

講師が長々と説明するのは、まるでトレーナーがアスリートに、筋肉の理論を延々と語っているようなもの。

アスリートから、大切なトレーニング時間を奪っているのです。

だからこそ、講師が“教えたい本能”をむき出しにしてしまうこの現象は、ABCにとって大きな課題でした。

新生!ABC

2015年、「文法解説が止まらない問題」を打ち破る、思いがけない出来事が起きました。

2人の講師(Risa and Valerie)と、1人の小学生(Yosuke)の登場によって、文法に頼らない新しい学びが“カタチ”になったのです。

Risa

  • 幼少期をオーストラリアで過ごす
  • Marist Brothers International School 卒業
  • 大阪大学 人間科学部(G30)卒業
  • 阪大在籍中 UC Berkeley 交換留学
  • 東京大学公共政策大学院、コロンビア大学国際公共政策大学院のダブルマスター取得
  • 国際協力機構(JICA)へ入構

Valerie

  • 幼少期を海外で過ごす
  • 13歳でアメリカの高校卒業(飛び級)
  • 14歳でプリンストン大学に合格
  • 家族の都合で来日
  • 兵庫県立国際高等学校に通学しながらアメリカのオンライン大学に通う

Yosuke

  • 英会話スクールで
    英検3級取得
  • 小学3年生の夏、
    ABCに入塾
  • 小6で英検準1級合格
  • UWC ISAK Japanへ進学

Risa and Valerie は、日本式の英語教育を受けずに英語を習得しました。

一方のYosukeも、小学3年生で文法や和訳の習慣がついていなかった。

だからこそ、英語本の音読を中心とした、“文法も和訳もない!”型破りなトレーニングスタイルが成立したのです。

日本式の英語教育を受けてきた講師の間では、「文法抜きで英語は理解できない」とか、「和訳しなければ意味がわからない」という考えが、根強くありました。

文法解説をせず、英文和訳をせず、一体何を教えるのか?と議論になった講師もいました。

無理もありません。日本では、ほとんどの人がその方法で英語を学んできたのだから。

でも、Risa and Valerie、そして Yosuke の成功体験が、その常識を大きく覆したのです。

5ヶ月で変わった!小学生の英語力

Risa and Valerieの音読トレーニングによって、Yosukeの英語力はグンっと伸びました。

お母さんの話によると、彼は過去に一度も、英語の本を読んだことがなかったそうです。

それでも、5ヶ月のトレーニングを経て、スラスラと、自然なイントネーションで、“意味をつかむ”音読が育っていました。

実は、音読にはその人の英語力が表れます。

語彙、文法、構文理解、リスニング、発音、読解など、おおよそのレベルが分かるんです。

Yosukeは、文法を習っていない。和訳もしない。

それでも彼の音読からは、英語の語順や構文感覚、そしてちゃんと意味を理解していることが伝わってきたのです。

↓↓↓

この音読を聞いたとき、私は武者震いしました。

これが正に、「文法・和訳に頼らずとも、英語は分かる」の証明でした。

開いた!世界への扉

入塾から約半年後、Yosukeは英検準2級に合格しました。

さらに、小5で2級、小6で準1級――着実に音読で英語力が伸びていきました。

中学3年間は、野球に多くの時間を費やし、目立った英語活動はありませんでしたが、中3の夏に転機が訪れます。

軽井沢にある国際高校・UWC ISAK Japanのサマースクールに参加した時のこと。

彼は、「ISAKに進学したい!」と突然の意思表明をします。

出願まで残された期間は、わずか2ヶ月…

中高一貫校からの急な方向転換とあって、周囲はみんなドタバタでしたが、本人には一切の迷いがなく、突き進んでいました。

思い起こすと、オーストラリア現地校での体験、レシテーションコンテスト入賞、小6で到達した英検準1級合格、そして3年間の野球経験。

――これらすべてが、彼の挑戦を支える“自信”に繋がっていたのだろうと思います。

2022年1月31日、YosukeはISAK合格の通知を受け取り、軽井沢へ旅立ちました。

小3のころ、英語の本を初めて開いたYosuke。

あのとき始まった一歩が、世界への扉をも開きました。

英語塾ABCは、“最初の一歩”を、これからも大切に育てていきたいです。

小学生が英検2級・準1級に合格する!ABCの体験レッスンへ