英検とは？今さら聞けない基礎知識

英検・・・ってよく聞くけど、結局は何？と思ってるパパママのために、英検の基礎知識をシンプルに説明します。

英検とは？

英検は、未就学児から社会人まで幅広い年齢層が受験する国内最大級の英語検定試験です。読む、聞く、書く、話すの4技能を測定し、日常生活やアカデミック、ビジネスなど実際に英語を使用する場面を想定した問題が出題されます。

正式名称を実用英語技能検定と言い、文部科学省後援のもと公益財団法人日本英語検定協会が実施しています。その歴史は長く、60年以上になります。第1回実用英語技能検定が実施されたのは、なんと1963年8月です！

激変した英検事情

日本で最も歴史と信頼のある英語の検定試験ですが、私たち親世代の印象は、特別な人が特別な目的のために受ける英語の試験と言ったものでした。

例えば、英語がものすごく得意で国際系学部に進学したいとか、英語を使った仕事に就きたいなどのように、将来に英語を使って何かをしようとしてる人には意味がある資格。だけど、そうでない人には持ってても使い道のない資格・・・そんな認識だったと思います。

しかし近年、その様子はガラリと変わりました。大阪府公立高校入試は英検2級を持ってないと不利と言われます。大学入試で英検準1級を持っていると圧倒的有利です。このように国際系に限らず、英検ある/なしが受験に大きく影響するようになりました。

そのため、英検取得は特別なものではなく、むしろ小中高生の一般常識となりつつあります。

さらに驚くのは、ハワイのコミュニティ・カレッジの一つであるK.C.C(Kapiolani Community College)は、日本の大学のような入学試験なしで、英検2級Aの認定さえあれば入学することができます。そしてK.C.C卒業後は、前アメリカ大統領バラク・オバマ氏が卒業したハワイ大学へ転入することもできます。

英検2級Aでハワイ大学卒業が手に入るんです！すごくないですか？

このように、英検は国内外で評価され、利用価値の高い優秀な資格へと変貌を遂げたんです。

それを証明するように、英検の志願者数は年々増加しており、2023年度は450万人でした。

英検の志願者数

2023年度、英検の志願者数は4,503,698人でした。過去5年間の志願者数推移(表1)を見ると、2020年度は新型コロナウイルスの影響を大きく受け、志願者数が減少。翌年度にすぐ数字を戻し、以降は毎年最高記録を更新しています。

日本の小中高生の何割が英検を受験しているのか？は公表されていませんが、参考までに・・・学校基本調査によると小学校に約600万人、中学・高校に600万人が在学しています(2023年度)。

(表1)英検*志願者数の推移(5年分)

（実用英語技能検定、英検IBA、英検Jr. の志願者数の合算）

*英検公式サイトによると、「実用英語技能検定」「英検Jr.」「英検IBA」を総称して「英検」と呼ぶようです。

7つの級と特徴

英検は5級から最高位の1級まで、7つの級があります。

• 3級、準2級、2級、準1級、1級は、一次試験と二次試験で4技能を測定。
  • 一次試験: リーディング、リスニング、ライティング
  • 二次試験: スピーキング
• 5級、4級は、一次試験で2技能を測定。
  • 一次試験: リーディング、リスニング
  • 二次試験: なし（スピーキングを任意で受験可能）

2つの試験方式

実用英語技能検定(英検)の試験方式には、ペーパーテストとコンピューターテストの2種類があります。

ペーパーテストを「従来型の英検」、コンピューターテストを「英検S-CBT」のように区別して呼びますが、難易度、問題内容はどちらも同じで、高校や大学入試などに利用できます。

ただ試験方式の違いから、子どもによって合う/合わない、向き/不向きがあります。もし入試での英検利用を考えているなら、早いうちに両方の試験を試しておくことをオススメします。

例えばスピーキングテストにおいて、「従来型の英検は面接官(人間)との対話なのですごく緊張するけど、英検S-CBTはコンピューターに向かって自分の声を録音する方式だから、緊張しない」と言う子がいます。

一方、英語でのコミュニケーションに慣れている子は、「S-CBTのコンピューターテストよりも、従来型の面接官(人間)との対話の方が、良いスコアが取れそうな気がする」と言います。

リスニングテストにおいては、「ヘッドフォンを使って音声を聞くS-CBTは緊張するからイヤ」と言う子もいるし、「ヘッドフォンを使って音声を聞くと集中できるからS-CBTの方が良い」と言う子もいます。子どもによって、本当にさまざまなんです。

英検の活用

英検は、入試、海外留学、公務員試験や就職活動まで活用できる一生モノの資格です。

いつから、始めたらいい？

英検を始める時期についてよく質問を受けます。理想は小学3・4年生くらいから始めて、小学校卒業までに英検2級合格、中学生で英検準1級合格、高校生でIELTS/TOEFLのスコアアップしながら英検1級合格を目指すことです。

もしわが子が中学生や高校生なら、1日でも早く始めて、1日でも早く英検準1級を取得してください。

なぜ準1級なのか？

それは、多くの子どもたちが大学に進学するからです。

英検準1級を取得した子は、大学共通テストで英語90点代が取れています。大学個別の選抜テストでも、英検準1級以上が出願資格になっていたり、得点換算や加点の対象になります。準1級は、大学受験に十分通用する英語力の証明なんです。

もし高校1年生で英検準1級に合格したら、大学入試までの2年弱は他教科や苦手科目に時間を費やすことができます。もし中学生で、いや小学生で準1級に合格したら？

英語は、小学生が先取りできてしまう唯一の教科なんです！